成道会の理念

国際空手道連盟 玄制流 成道会 創始者 成川哲夫創師の理念

初代会長・総師範 (国際空手道連盟 玄制流 成道会 創師) 成川哲夫


 国際空手道連盟玄制流成道会は、創立以来「魅力ある空手道」を目標に一貫した指導・活動を続けてきました。
 一つ目は、玄制流空手道宗家・初代祝嶺制献最高師範が取捨選択して体系付けられた「玄制流」の空手道を、原型に従い出来る限り忠実に技術・精神の両面で継承し、これを組織として永続的に普及・発展させていく正統派実技団体であるということです。
 二つ目は、スポーツ性より、武道としての空手道を追求し、競技(試合)に勝つことを最終目的とするのではなく、日々の厳しい稽古を通じ「人と物を大事にする心」を育て、忍耐力・自制心を養い、礼節と調和をもった人間形成につとめていくことです。
 三つ目は、成道会の指導者は、技術はもとより空手道の基本理念・哲学を確固たるものとして持ち、稽古で何を指導すべきか常に自問自答することです。そして「武道教育」「空手道学」という高みに昇華させることを目指し、単に力の強さだけを求める空手道場ではなく、質の高い空手道という「道」を求めていく道場でありたいと考え、行動することです。
 成道会は、「生涯武道としての空手道」という考えに基づき、幼児からシニア(高年齢層)までの年代別クラス分けに加え、「女性」(レディスクラス)、「親子クラス」等、様々なクラスを設け、老若男女を問わない生涯武道として一貫した指導体制を確立しました。特に、幼児から高校生の指導においては、日頃の稽古を通じて健全な青少年となるべく人間形成に力点を置いています。
 躾とは心の教育であり、最も大きく影響するのは親の教育です。学校教育と親から子への躾を実践的方法によって手助けをするのが空手道の指導・活動であると成道会では考えています。教室からも親からも解放された子どもの自由時間の活動の中で、競い合い、楽しみながら、強く生き抜き、如何なる困難にも屈しない意志を養う手助けを、空手道が担っていくことを目指しています。
 己の身に一切の武器をつけず、徒手空拳で自分の身を護る空手道は、稽古とはいえ、厳しい突き・蹴り・受けの攻防の中で、ある程度の痛みを伴う接触は免れません。痛みに耐え抜くことで技一本の攻防の繰り返しの中で命の尊さを学び、他者へのいたわりの心を芽生えさせます。
 実戦的な稽古の中で、わが身をつねって人の痛さを知ることを教え、いかなる場合においても相手を傷つけてはならないことが鉄則であり、相手の自尊心も傷つけてはならないという空手道の基本理念を教え、子どもたちの「礼節の心」そして「豊かな心」を醸成し、一つのものごとを始めたら長く続ける「継続は力なり」の精神を学ばせたいと考えています。
 そのためにも指導者自ら姿勢を正すことが肝要です。「空手道の理念」は「人格の形成」にあります。格闘技としての技術の研鑽と心身の鍛錬を通じ、「礼節」と「和の心」を養成し、品格を高め、次元の高い精神性を有するものです。空手道は今や世界中の人々に親しまれていますが、日本の武道である空手道を、日本の伝統・文化と共に「我が国から発信する」という姿勢を貫き、初心に帰り日本の正統な空手道の普及・発展のため尽力していきたいと考えております。そして、世界中の人々の安全で平和な生活に貢献していければと願っております。

動画 玄制流空手道、成道会及び創師・成川哲夫について